たくみです。最近国際学会の論文執筆や各種申請書の提出などで忙しくて更新できていませんでした。
さて、今日は気になっている方も多いと思います、博士課程のお金事情について話していきます。
博士学生ってどうやって生活しているの?
働いていないでまだ学生なの?
など皆さんの疑問に答えます!
金銭事情
まず、博士課程に進学するにあたって、多くの人が奨学金や支援金などの制度について調べ上げています。それは以下の理由があるからです。
- 学部や修士と違い博士の数が少ないので奨学金の競争が少ないから通りやすい
- 両親からの自立
- アルバイトをする時間がない
主に上記の3つが理由になると思います。
そもそも奨学金には貸与型、給付型の2種類があります。
貸与型奨学金
これは将来的に奨学金の返済が必要なものになり、一般的なローンや消費者金融と比較して低金利であることが挙げられます。例えば日本学生支援機構(JASSO)が提供する奨学金は第一種が無金利で第二種が金利1%程度であることに加えて、成績によっては半額または全額免除の対象になります。
2024年度入学者用 奨学金案内(大学院予約)より一部抜粋
主な申請条件としては世帯年収が一定額未満であることが必要です。
2024年度入学者用 奨学金案内(大学院予約)より一部抜粋
給付額も自分で選択ができます。
2024年度入学者用 奨学金案内(大学院予約)より一部抜粋
学部時代にこの奨学金の申請を行なった人でダメだった人も多いかもしれません。これは多くの場合世帯年収が原因ですが、修士、博士学生は扱い的には自分の収入が世帯年収の条件になるのでほとんどの場合において奨学金を借りることが可能になります。
実際に筆者も学部時代は申請が拒否されましたが、博士からは申請が受理されました。これは自分の稼ぎのみが考慮されるからです。
給付型奨学金
給付型奨学金はその名の通り返済が不要のものになり、貸与型奨学金と比べて審査基準や条件が厳しくなっているのが特徴です。
代表的な条件や基準は
- 学業成績が基準以上
- 主催される会合やイベントへの参加
- 定期的な報告書などの書類提出
- 選考委員会による申請書の審査
- 卒業後に何らかの条件がある(勤労に関するものなど)
など、いずれもかなりの作業量が求められます。
博士課程の奨学金と言われて真っ先に上がるのが学術振興機構が行なっているDC1,2の奨学金です。これはかなり前からある歴史の深い博士学生に対する奨学金で奨学金のほかに研究費が別途で渡されます。また、研究に箔がつくとも言われておりまず、これを申請する人も多いと思います。
ただし、DCは以下の点に注意してください。
- 他の奨学金と併用原則不可
- アルバイトなどは原則不可
- 研究奨励金は給与扱い
など制約があります。
最近ではDCのほかにも次世代研究者挑戦的研究プログラムや次世代AI人材育成プログラムなど新たな博士課程支援が続々登場しています。これはDCと比べて歴史が浅く、総額は低い場合もありますが、条件が厳しくないなどのメリットもあります。
- 他の奨学金と併用は可能
- アルバイトなどは可能
- 研究奨励金は雑所得扱い
などDCとは異なる条件になります。
自分に合った条件の奨学金を申し込むところから始めてみましょう。
アルバイト
上記の奨学金以外にもアルバイトをすることはもちろん選択肢の一つです。しかし、学部時代ほど自由な時間はありません。なので周りの博士学生は以下のようなアルバイトをしています。
- 論文調査のバイト
- TAやRAなどの大学雇用制度
- 研究室の教授からのバイト
- 企業へのインターンシップ
- 自分の研究分野に類似したベンチャー企業でのアルバイト
多くは専門性を活かしつつ、自分の研究の補助的な役割をこなしてくれるようなアルバイトをすることで効率よく稼いでいます。
このように様々な方法で何とかお金を工面して研究に没頭する学生がほとんどだと思います。昔とは違い博士学生に対する支援制度は今後も充実してくると思います。